カリウムの制限

高カリウム血症を防ぐために、摂取量に気をつけましょう。カリウムは、果物、生野菜、芋類、肉類に多く含まれています。野菜は水にさらしたりゆでこぼしたりすることで、カリウム量を1／3～1／2に減少させることができます。また、ドライフルーツにはカリウムが濃縮され多量に含まれているので、食べないように注意しましょう。

カリウムの制限により野菜などの食物繊維を思うように取れないこと、また透析で多くの水分を除去するために、便秘になりやすくなります。十分な食事量をとることや、毎日決まった時間に排便する習慣を身につけましょう。腸内環境を整えるサプリメントや食物繊維を補う健康食品の活用も可能です。下剤を使用するときは、必ずクリニックで処方された薬を服用するようにしてください。便秘が改善されない場合は、医療従事者にご相談ください。

水分と塩分の制限

塩分を摂りすぎると、むくみ・高血圧を起こしやすく、心臓への負担が大きくなります。さらに、喉が渇き水分がほしくなり、水分管理が難しくなります。透析治療を終えてから次の透析までの間に、体重が増えすぎないように注意しましょう。

アルコール、たばこ

できるだけやめるようにしましょう。

シャントについて

シャントは透析を続けていくうえで必要不可欠です。シャントを長持ちさせるためには、シャントの閉塞や感染の予防に注意します。シャント部分を毎日観察し、朝夕2回は耳を当てて音を確認しましょう。また、シャント部分に触れて拍動が正常に感じられるかの確認もしましょう。感染予防のためには常に清潔を保つことが大切です。透析日は針跡からの細菌侵入を防ぐため、浴槽での入浴は避け、シャワー浴にしましょう。また、温泉、プールなど不特定多数の人が利用する施設か感染の可能性が高まりますので、注意しましょう。日常生活の中では、シャント側の腕を体の下にして寝たり、シャントをたたいたり物に強くぶつけない、シャントの腕に腕時計をしない、シャントの腕で重いものを持ったり、カバンなどをぶらさげない、シャント側の腕で血圧測定や採血をしないという注意も必要です。

適度な運動

透析に体が慣れてきたら、疲れない程度にできるだけ体を動かすように心がけましょう。適度な運動は、体力・筋力を維持し、生活のスタイルを維持するためにとても大切です。血圧の安定、便通の改善、ストレス解消、骨折や生活習慣病の予防にも効果があります。

まずは健康的な体重を維持することが大切です。低タンパク食事療法を行っている方はエネルギー摂取が足りないと体重が減少してくることがあります。また、むくみが出ているときは、体内の水分量が増えて体重も増加します。こまめに体重計に乗る習慣をつけるとよいでしょう。

薬について

処方された薬の効果を最もよく発揮させる、副作用を防止するなどのために、決められた量、時間を守って服用しましょう。薬を飲み忘れたときは、医療従事者に相談してください。2回分を1度に服用することがないようにしましょう。また、透析患者が服用してはいけない薬もありますので、ほかの病院などで薬を処方された場合は透析の主治医に知らせましょう。

透析と仕事の両立について

透析療法を導入するにあたって「仕事と透析の両立」ということに対して不安を感じる人は少なくありません。その人の働き方に合った透析療法やスケジュールを選択して、仕事を続けている人は多くいらっしゃいます。主治医とよく相談をしましょう。